ビールの飲み方、楽しみ方

世界のビール・クラフトビール

ビールの飲み方、楽しみ方はもっと自由でいい

ビール

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仕事の後の一杯。風呂上がりの一杯。太陽の下で飲み干す一杯。
ビールです。やっぱりビールです。真夏のビールもおいしいのですが、真冬にキレ味のあるビールをいただくのも、アルコールが鋭く体にしみこむ感じがして痺れます。皆様はどんなビールの楽しみ方がお好みですか?

クラフトビール人気でイベントも盛りだくさん

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最近は世界中でクラフトビールの人気が高まっています。日本でも、全国に大小様々なクラフトブルワリーがあり、それぞれがオリジナリティあふれるビールを醸造しています。こうしたブルワリーの中には、大手ビールメーカーと協力して商品を開発したり、クラフトビールイベントを開催したりしているところもあります。昔から「地ビール」を生産し続けてきた老舗の他に、海外でビール造りを学んだ後に日本で起業した本格派や、昔ながらの造り酒屋が醸造するクラフトビールなど、日本のビールシーンにも存在感のあるビールがたくさんあります。大手ビールメーカーも、この流れに乗ってクラフトブランドの生産を始めています。

クラフトビール人気は消費者意識の表れ

今の時代、消費者はそれぞれの価値観を持ってビールを選ぶ傾向が強くなってきています。大手メーカーが大量生産するビールだけを飲むのでは無く、生活の様々な場面に応じて、少しばかり高くても、個性のあるビールを選ぶ人々が増えてきたのです。

日本のビールだけではなく、海外のビール、クラフトビールに目を向ける人々も多くなってきました。海外には老舗の醸造所も多くありますが、同様にクラフト文化も根付いており、規制の多い日本よりも遙かに自由にビールを造ることができます。その自由なネイチャーは様々な若者文化と融合し、斬新なムーブメントを生み出します。

クラフトビールとのコラボが生み出す新たな世界

クラフトビールとミュージック

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クラフトビールは、まさにビールを新しくクラフトするということで、特にクリエイティブな、若い世代との相性が抜群です。中でも音楽とのコラボレーションは盛んで、グレイトフルデッドやアイアンメイデンといったようなビッグネームがクラフトブルワリーとコラボしてビールを商品化したり、多くのクラブイベントが開催されたりしています。様々なフィールドの創造性とクラフトビールのコラボレーションは、今後もまったく新しいムーブメントを作り上げていくことでしょう。

ビールの歴史

ここまで最近のクラフトビールムーブメントについて多く書いてきましたが、ここからはかんたんなビールの歴史やレシピ、タイプについて解説します。ここを出発点に、世界のビール、クラフトビールを巡る旅に出かけましょう。

ビール醸造の歴史・メソポタミア、古代エジプト

ビールの歴史

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ビールは今から約7000年前に、現在のイランで生まれたと考えられています。このことは古代エジプトの記録に残されており、ここから世界に広がっていったものと考えられています。約6000年前の物と考えられるメソポタミアの遺物には、ストローを使ってビールを飲む人々の姿が彫られたタブレットが見つかっています。ビールはその後、穀物を生産する文明の広がりと同時にユーラシア大陸、北アフリカに広がっていきました。

ビール醸造の歴史・ヨーロッパ

beer history

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中世ヨーロッパでは、9世紀頃には既にホップを使用して香り付けする醸造が行われていました。しかし、技術的に難しかったこともあり定着しなかったようです。その後、13世紀頃にはドイツでホップを使用した醸造法が確立され、大規模な生産が始まりました。そしてさらに15世紀頃までには、現在のオランダやベルギー、イングランドにこの醸造法が広がっていきました。

ホップを使用する醸造法が一般的になると、ホップを使用して造られたものを「ビール」、以前までの醸造法で造られたものは「エール」と呼ばれるようになりました。しかしその後、エールの醸造にもホップが使われるようになり、強いビール全てがエールと呼ばれるようになったようです。

16世紀頃に、現在のビールの主流である下面発酵による醸造法が確立されました。現在はこの下面発酵により造られたビールをラガー、上面発酵により造られたビールをエールと呼びます。

ビール醸造の歴史・日本

日本に初めてビールが入ってきたのは17世紀で、オランダの商人が、出島に滞在する同国高級官吏のために輸入した物だとされています。日本でビールの商業生産が始まったのは1870年で、横浜のスプリングバレーブルワリーにて醸造が始まりました。現在、キリンビールが東京、横浜、京都でこの醸造所の名前を冠したビアホールを展開しています。

現在、ビールは世界中で生産されており、特にベルギーやドイツで伝統的スタイルを大切にしたビールの醸造が盛んです。比較的小規模の醸造所が造るクラフトビールの生産は世界中で盛んに行われていますが、特にイギリスやアメリカでは、伝統的な物から実験的な物まで様々なタイプが生産されています。

ビールのレシピを知る

ビールのメインとなる原料は水、麦芽、ホップ、そして酵母です。その他に糖類や穀類を副原料として使うことがあります。日本の酒税法におけるビールの定義は

「A 麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの(麦芽の使用割合100%)及びB 麦芽、ホップ、水及び麦、米等の特定の副原料を使用して発酵させたもので、麦芽の使用割合が約67%以上のもの」(国税庁ホームページ「ビール・発泡酒に関する物」より引用)

とされています。

水

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ビールの約90パーセントは水でできています。自ずと水のクオリティーが重要なことが理解できますね。醸造所ではそれぞれのスタンダードに合うようこの水を精製してビール造りに使用します。

麦芽(モルト)

麦芽

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発芽させた大麦です。麦芽は発酵プロセスにおいて、でんぷん質をアルコールに変える働きをします。麦が発芽していないとこの工程がうまくいきません。

ホップ

hop

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ホップはビールの風味付けや味付けを左右する重要な材料です。またホップの持つ苦みはモルトが持つ糖度とのバランスを取る役割をします。

酵母

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酵母を投入し、その酵母が麦芽の持つ糖分を食べることによってアルコールが発生します。酵母はビールの味付けを決める重要な要素です。

ビール・スタイルベーシック

ビールには長い歴史の中で確立されたスタイルベーシックがあります。大きなくくりでは
ラガーとエールに分けられますが、ここでは基礎知識としてかんたんに紹介しておきます。国や地域により違いがありますし、派生したたくさんのスタイルがありますので、あくまでも参考です。

ラガー

ラガー

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ラガーは日本では最も浸透している下面発酵のビールです。一般的にはキレのある爽やかなのみくちが特徴です。

アメリカンラガー

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アメリカンラガーは爽やかで、軽くスムースなのみくちが特徴のラガーです。アメリカの有名銘柄である「バドワイザー」や「クアーズ」といったビールがこれに当たります。また、アメリカンラガーに近いペールラガーと呼ばれるスタイルには、「ハイネケン」や「フォスターズ」といった、やはり有名銘柄のビールが含まれます。

アンバーラガー(レッドラガー)

アメリカンラガーと比較するとモルティーでダークな赤茶色のボディを持つビールです。「琥珀ヱビス」やアメリカのクラフトビール「ブルックリンラガー」などがこのスタイルに該当します。

ピルスナー

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チェコのピルゼン地方発祥で、世界的にもひじょうに人気のあるスタイル。ペールカラーのボディでスムースで飲みやすいビールです。チェコの「ウルケル」やドイツの「ベックス」が代表格でしょう。

ボック

ドイツ発祥のスタイルで香ばしく、コクのある濃厚なラガー。ボディーはアンバーからブラウン。冬から春によく飲まれる。

ドッペルボック

ダブルのボック。強めのアルコール。モルティーで甘さを感じる、ボックよりもさらに濃厚なビール。

オクトーバーフェスト

オクトーバーフェスト

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メルツェンとも呼ばれる琥珀色のラガービール。メルツェン(3月)に仕込みが始まり、秋のオクトーバーフェストの時期に飲まれる。

エール

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エールは酵母が短い期間で発酵するよう、常温で活動を促し、上面発酵で醸造されるビール。一般的にはフルーティーで薫り高く、ラガーよりも複雑な味わいが魅力です。

ペールエール

ブラウンもしくは赤銅に近いボディカラーを持ち、ホップの風味とドライでキレのある飲みくちが特徴です。ベルギーやイギリスではとてもポピュラーなスタイル。日本のクラフトビールの草分け的存在・ヤッホーブルーイングの「よなよなエール」がこのスタイルです。

インディアペールエール

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アルコール度がペールエールよりも若干高く、ホップの香りが際立つスタイル。インドがイギリスの植民地だった頃、ビールを劣化させること無くイギリスからインドに送ることは不可能に近いことでした。それを解決するために考え出されたのが、ホップを大量に投入して雑菌の繁殖を防ぐ方法でした。インディアの名前はここから来ているのです。

ブラウンエール

イギリス北部で生まれたエール。モルティーで苦みが少なくとても飲みやすい特徴を持っています。

スタウト

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スタウトは濃厚でリッチなのみくちが特徴のエール。ローストした麦芽がスタウトの持つ色とかおりの由来になっています。有名銘柄では、アイルランドのギネスがスタウトに該当します。

ポーター

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スタウトに似ていますが、スタウトと異なるのは、通常、ローストしていない麦芽を使用することです。チョコレートを彷彿させる甘みと苦み、そしてカラーが際立つエールです。

ウィートビア

少なくとも50パーセントの小麦麦芽を使用して造られるエール。小麦麦芽を使用することで濁ったライトイエローの外観を持ちます。フルーティーな味わいが特徴のヒューガルデンがこのウィートビアの代表銘柄です。

ヘーフェヴァイツェン

ヘーフェヴァイツェンはドイツで生まれたエール。小麦を使った無濾過で濁ったいわゆる白ビールです。ウィートビアと同様にフルーティーな味わいが特徴です。

ビールの世界は広い

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日本では長い間、大手メーカーが製造するラガービールが幅をきかせてきました。これは長い間、多くの日本人はビールの大分類の半分しか知らなかったことになります。最近はクラフトビール人気が大きなうねりとなり、今までビールの多彩さを知らなかった人々がビールの楽しみ方を知るようになってきました。日本にもビールが文化として根付く日が必ず来ることでしょう。

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