世界のビール・ヨーロッパの定番ビール

世界のビール・クラフトビール

ヨーロッパの定番ビールを知ろう

alles / Pixabay

ヨーロッパの多くの国々はビール醸造の長い歴史を持っています。これまでにドイツとベルギーのビール文化、そしてアイルランドのパブ文化についてご紹介してきました。

ヨーロッパの国々には、ビールが人々の生活に昔から溶け込んでいたという土壌があり、様々なタイプのビールが造られてきました。対して日本では19世紀半ばにようやく本格的なビールの醸造が始まり、現在はクラフトビールシーンが盛り上がりを見せているとは言うものの、これまでは大手メーカーが造るラガービールが「ビール」として認識されてきました。

様々な海外のビールを味わい、感じることは、日本のビールの多様化、そしてビール文化に広がりと厚みを出すことに繋がるのではないでしょうか。

ヨーロッパの定番ビール

ヨーロッパには「アサヒ・スーパードライ」よろしく、定番で飲まれているビールがあります。日本の定番ビールといえば、先に挙げた「アサヒ・スーパードライ」の他に、「キリン・ラガー」「サッポロ生ビール黒ラベル」などでしょう。これらのビール、定番ですがやはりおいしいからこそ定番なのです。そうであるならば、世界の定番ビールを味わってみない手はないというものです。今回はヨーロッパの定番ビールを紹介したいと思います。

Guiness(ギネス・アイルランド)

By Dirk Van Esbroeck (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

以前にもご紹介しましたが、パブ文化と共に育ってきたアイルランドの定番ビールがこのギネスです。アイルランド産の大麦麦芽を焦がして使用することで、特徴的な色と風味付けをしています。パイント当たり198kclというカロリーの低さも特筆もの。クリーミーな泡とスムースなのみくちが魅力のスタウトです。

Heineken(ハイネケン・オランダ)

By Andybryant at English Wikipedia (Transferred from en.wikipedia to Commons.) [Public domain], via Wikimedia Commons

緑のボトルが特徴的なハイネケンは、1873年にオランダで誕生したラガービールで、世界的にもギネス、バドワイザーと並び称されるほどの超メジャービールです。アルコール度数は5%でさわやかなのみくちの中に、若干フルーティな香りが漂います。日本ではキリンビールがライセンス生産。親会社はUEFAチャンピオンズリーグのオフィシャルスポンサーを務めていることでも知られています。

Kronenbourg(クローネンブルグ・フランス)

By Marcelo Costa (Kronenbourg 1664 @ França) [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons

クローネンブルグは、1664年、フランス・ストラスブールに設立された醸造所です。19世紀にストラスブールのクローネンブルグ地区に移転したことを機に、その地の名前を冠することになりました。「クローネンブルグ1664」は、フルーティーな風味が特徴のラガービール。フランスでは約40%のシェアを誇るメジャーブランドです。

Moretti(モレッティ・イタリア)

モレッティはイタリアを代表するビルスナーです。麦芽の風味と苦みのバランスが特徴的なこのビール。イタリアのビールらしく、パスタやピザと相性抜群です。

Cruz Campo(クルスカンポ・スペイン)

By Gzzz (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

フランス、イタリアと来たので、もう一つのラテンの国・スペインのビールもご紹介しておきます。ワインの国スペインで幅広く流通しているビールがこのクルスカンポ。ライトなのみくち、爽やかなのどごしが心地よいピルスナーです。麦芽由来の甘さがほんのりと感じられる、飲みやすいビールです。

London Pride(ロンドン・プライド・イギリス)

ロンドン・プライドは、その名前から分かる通り、パブの本場・イギリスから生まれたビールです。アイルランド同様、イギリスにも素晴らしいパブ文化が根付いていますが、ロンドン・プライドを醸造するフラーズも100年以上の歴史を持つ醸造所です。スイートな風味が香るキャラメル色のビールは、醸造所が持つ歴史とプライドが生み出します。

Karhu(カルフ・フィンランド)

カルフは北欧フィンランド生まれで、1898年に醸造が始まったラガービールです。熊のラベルが目印ですが、カルフとはフィンランドの言葉で「熊」のことだそうです。醸造メーカーは現在、デンマークのカールスバーグ傘下となっています。

Carlesberg(カールスバーグ・デンマーク)

カールスバーグはデンマーク生まれの、世界第4位の巨大ビール会社です。

さわやかでホップの香りが心地よいピルスナー・ラガーは、日本を含む世界中で愛されています。

1904年にデンマーク王室の御用達ビールに指定されました。ラベルに使用されている赤いクラウンはその証。日本ではサントリーがライセンス生産しています。

Lowenbrau(レーベンブロイ・ドイツ)

レーベンブロイは、オクトーバーフェストのお膝元、ドイツ・ミュンヘンの醸造所から生まれます。日本ではアサヒビールがピルスナーを長年ライセンス生産しているので、日本でもおなじみです。すっきりとしたのどごしと、ふくよかな泡が魅力です。

Beck’s(ベックス・ドイツ)

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ベックスはドイツ・ブレーメンのBrauerei Beck & Co.,が生産するピルスナータイプのビールです。「ハーブの香り」「炭酸が強い」など、個性の強いビールですが、そのキレ味のあるのどごしに定評があります。

Gosser(ゲッサー・オーストリア)

ドイツのおとなりオーストリアのビールです。ゲッサーが醸造する「メルツェン」は、オーストリア国内で最も消費されていて、フルーティーかつ香るホップの風味が心地よいビールです。

Hoegaarden(ヒューガルデン・ベルギー)

ビール文化がUNESCO世界無形文化遺産に指定された国・ベルギーで生まれたフルーティーなホワイトビール。ヒューガルデン村で生まれ、当時牛乳屋をしていたピエール・セリス氏が1966年に醸造を始めました。
ヒューガルデンのラベルには、特徴的な「杖」と「鍬」が描かれており、それぞれ「伝道師」と「農民」を表しているそうです。

Duvel(デュベル・ベルギー)

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デュベルも世界に知られる、ベルギーを代表する醸造メーカーです。デュベルとは「悪魔」を意味し、主力銘柄のデュベル・ゴールデン・エールは8.5%という高いアルコール度数を誇る、まさに「悪魔」のビールです。柑橘系の風味と高いアルコールが酔いを誘います。

ヨーロッパのビール・定番ラガーの中にも個性派がちらほら

今回はヨーロッパの定番ビールをご紹介しました。ヨーロッパだけでなく、世界のビールの主流は、やはり下面発酵のラガービールです。ハイネケン、カールスバーグなどは巨大なメーカーであり、その商品はよくできてはいますが、正直、そこに個性を感じることは特にありません。同じことは日本の大手メーカーが生産してきた製品にも言えるでしょう。

ヨーロッパのメジャーなビールを少し眺めてみると、ビール文化が成熟している国ほど、個性を強く押し出した製品を好む傾向があるように見受けられます。世界中で幅広く飲まれているギネスはアイルランドのパブ文化と共に育ったスタウトですし、「ビール純粋令」の国ドイツのベックは、その純粋令に則りながらも、好き嫌いの分かれる、キャラクターの濃い製品を送り出しています。

スタンダードなラインアップの中にも個性が垣間見られるヨーロッパのビール。伝統の中にもチャレンジ精神や創造性が生きている証でしょう。

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