電動アシスト自転車の最新動向 2 IoT

スポーツ

これからの自転車は「スマホ化」を目指すか ――IoT化自転車

「ネットにつなげば異次元の便利さを持たせられる」――いろいろな産業・製品について、最近はこんなトレンドが進んでいます。IoT=Internet of Things・「モノのインターネット化」の流れです。この流れは、当然自転車の世界にも押し寄せつつあります。

現在のところ、ふつうの自転車にスマートフォンをマウントしてナビゲーション機能、走行データ記録などが行えるようになってきています。本格的なアスリート向けには、ケイデンスセンサーや心拍数モニターと連携するアプリも登場しました。

ただ、この場合もスマートフォンのバッテリー持ちが問題になります。スマートフォンは、電話の待ち受けを続けながら、何種類かのアプリも並行して起動させ、さらにGPS信号の送受信、4G LTEによるデータの送受信といった仕事までこなします。これらはいずれも、スマホにとっては電力消費が大きい作業。

ならばいっそ、電動アシスト自転車に各種センサーやアプリの機能を搭載してしまえばどうでしょうか。「モーターによる走行アシスト」という、さらに大きい負担に耐える大容量バッテリーを最初から搭載しており、このバッテリーから見れば上のような作業はむしろ「片手間」程度になってきます。

自転車自身がネットにつながるようになると、期待できる「異次元の便利さ」はたくさんあります。そして、IoT化は電動アシスト自転車にこそ親和性が高いのです。

では、その異次元の便利さについて、見て参りましょう。

個人認証センサーとGPSによる高い防犯性・追尾性

スマホをマウントした自転車では、スマホ自身の盗難紛失対策アプリは機能しますが、自転車本体は守れません。別のロックが必要です。これに対し、みずから電源とモーターを持つ電動アシスト自転車は、別次元の盗難対策を可能にします。

指紋、虹彩(アイリス)など生体認証による起動

現在、スマホと連動して指紋認証でスイッチオンする電動アシスト自転車の機種が現れています。電源をオンにしない限りはモーターにロックがかかって回転しないようにすれば、特にほかのロックを使わなくとも他人には走行不能になります。

1.2.持ち上げて運ぼうとしても……

それでも、何か固定物にワイヤーロックでつないでおかないと、いや、つないでおいたとしても、自転車を丸ごと持って行くという盗みの手口もあります。トラックなどに積んで持って行ってしまうんですね。

電動アシスト自転車なら、そのように持ち上げられたことを加速度センサーで検知可能です。そのうえでやろうと思えばできることがいろいろあります。たとえばライトを点滅させながらブザーを大音量で鳴らす(自転車自身が大声で「ドロボー!」と叫ぶ感じです)、オーナーのスマホに危急を知らせる、みずから警察に通報する(人工音声、位置情報付きで)などです。

1.3.それでも持って行かれたとしても……

それでもめげずに持って行く根性の座った泥棒がいたとしても、GPSでトラッキング可能です。自転車がどこにあるか、随時ネットを介して確認できますから、取り戻すことも容易になります。

GPSセンサーをペダルに内蔵するというアイデアが現在あります。外付けライトに内蔵する製品も存在しますが、これだと外されたり破壊されたりして役に立たないこともありますが、ペダルはエッセンシャルな部品ですからまず外されません。さらにシャフトに小さな発電ダイナモを仕掛ければ、日頃の走行によってGPSのバッテリーに充電できます。

それでも「絶対」はないのがこの世の中ですが、かなり高いレベルの防犯性をそなえることが期待できるのはたしかでしょう。

2.コミュニケーションライドが広がる

GPSと各種センサーで走行データを記録し、同時にネット上のSNSでシェアするといったコミュニケーションは、現在スマホをマウントした自転車で広く行われています。外で自転車に乗っている人の位置を、家に居る家族がモニターすることもできるようになっています。もちろんメッセージも送れます。電動アシスト自転車でももちろん同じことが可能で、今はスマホに補助電源を供給できるようなUSBポートをそなえた機種が現れています。

しかし将来的には、機種やコンセプトにもよりますが、電動アシスト自転車の側により多くのセンサーとGPSを搭載してしまう方がスマートでしょう。スマホの負担をできるだけ減らすことができますし、その分、走りながら友だちとおしゃべりするといった楽しみ方も可能になります。

GoProのようなアクションカメラの活用も広がりますよ。もちろん電動アシスト自転車のバッテリーから補助電源が得られますから、遠慮せずどんどん使えます。行く先々で写真を撮るのもいいですし、一緒に走っている人と走行を互いに撮影し合い、スマホで同時にモニターするなどということも可能です。

3.将来的にはビッグデータの活用も

ネット上にシェアされた情報を、もちろん個人ユーザーのプライバシーに配慮しながら収集・集積することで、産業界、行政や警察、個人が活用できるようなビッグデータができていく可能性もあります。自動車やスマホユーザーの一部ではすでに始まっていますが、曜日ごと、時間帯ごとの人の流れをデータ化すれば周辺の店舗にとって有用です。自転車に関連する分野では、たとえば転倒の件数や事故件数の多い場所が洗い出されていけば、行政による改善、警察による警戒が行われ、ライダー側にとっても利益になります。

4.IoT化自転車の可能性はさらに

このように、自転車の世界においてもIoT化は異次元の便利さ、別次元の楽しさを生みます。今後はさらにAI(Artificial Intelligence・人工知能)を組み込み、活用する方法が考えられていくでしょう。ますます大変なことになっていきそうです。

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