続・欧米の電動アシスト自転車
あと3台ほど、欧米の電動アシスト自転車をご紹介します。3台、それぞれにユニークです。ではさっそく。
Outrider USA Horizon
前の記事でも少し触れたのですが、これが一番「さすがアメリカ」度が高いので再度、もう少し詳しくご紹介します。
まず形状がユニーク。「リカンベント」と呼ばれる、あお向けに寝そべって乗るタイプです。2輪のものと3輪のものがありますが、ホライズンは3輪です。前2輪、後1輪で、前輪は足でこぐことができ、後輪が電動アシスト駆動輪になります。つまり3輪駆動です。
電動アシストモーターの出力はなんと1500W。ヨーロッパの電動アシスト自転車規制S-Pedelecの500Wの3倍にも達しています。最高時速は約40キロ。
変速ギアは11段もあり、悪路や激坂に対応するエクストラ・ローギアから、高速走行でもしっかり踏めるエクストラ・ハイギアまで用意されています。変速は左右のハンドルバーのボタンで操作します。
ホライズンには3タイプあります。
・ペダルがなく、完全にモーターのみで走るタイプ
・ペダル付きで、こいでバッテリーを節約できるタイプ
・腕でクランクを回してこぐ、足の不自由な人も乗れるタイプ
多彩な楽しみ方ができるのはいいですね。
そして前に触れたように、エクストリーム・トレイル、つまりものすごい悪路でも走破できる足回りになっています。強力なモーターもそうですが、タイヤはマウンテンバイクのようなごっついブロックタイヤ。さらに3輪すべてにエアサスペンション、油圧ディスクブレーキを装備しています。山道、泥道、岩ごろごろのフィールドや浅い沢でも走破します。
バッテリーは1回のチャージで約80キロ走行可能な大容量。しかもこのバッテリーを最大4つまで搭載することができるので、最大では約320キロまで走れることになります。
さて、気になるお値段は……
ペダル付き電動自転車が13,985ドルとなっております。150万円くらいですね。
Spark
続いて、カナダのメーカーが開発した「スパーク」です。バッテリーを保持している太いしっかりしたフレームから、マウンテンバイクのような印象を受けますが、タイヤは街中走行に適したスリックタイヤで、前後に泥よけもついており、後輪の上には荷台も設けられていて、通勤など日常生活に使いやすい車種になっています。
モーターの出力は350W。1回のチャージで70キロ走行可能。このあたりはまあふつうなのですが、造りはかなりしっかりしています。フレーム素材はミリタリーグレードのアルミニウムで堅牢になっており、前輪を支えるフォークにはサンツアー社製サスペンションを装備、さらにコンポーネントにはシマノのアトラス7速を採用と、なかなかのクオリティでまとめています。
ユニークなのはロックの方式で、トップチューブにはめ込む形のバッテリーを、カギを回して外して持って行ってしまうというもの。こうするとモーターがロックされて動かなくなるわけです。でかいバッテリーを持ち運ぶのはどうか……という思いもありますが、間違いのない方式ではあります。それに、出先でバッテリーをチャージするチャンスもあるかもしれませんし。
さて気になるお値段は、1700ドルです。お手頃ではないでしょうか。
A-Bike
イギリス発の折りたたみ電動アシスト自転車です。これは日本国内でも購入可能です。
まあ何と申しましょうか、カワイイです。この小さな車輪から、自転車というよりも電動キックボードかとも一瞬思いますが、ボードはなくてこげるペダルがありますから、やっぱり自転車です。
最大の特徴は「20秒ほどで、小さくたためる」というところです。本当にコンパクトに、片手で簡単に持ち上げられる形になります。重量がバッテリー込みで11キロくらいですので、片手で持って階段を駆け上がることもできるほどです。そしてそのまま、電車やバスに持ち込めます。
基本スペックですが、1回のフルチャージで走行可能なのは20キロ。これまたカワイイ航続距離ですが、自宅から駅、駅から職場、帰りはその逆という乗り方には十分でしょう。
またスペック上は、時速25キロまでアシストすることになっています。日本の道交法では電動アシストは時速24キロで切れますが、この自転車で24キロまで出すのは少々きびしいでしょうから、問題はないでしょう。
それに、後輪だけでなく前輪も電動アシストしているところも大きなポイントです。形状から言って、上り坂でアシストが効くと後ろ向きに転倒しそうな気がします。が、前輪でも坂道に食い下がってくれますので、その危険は少なくなります。
500mlペットボトルほどの大きさのバッテリーは簡単に取り外すことができて、部屋に持って行ってチャージできます。もちろんリチウムイオン電池ですから、継ぎ足し充電OK。
それから、前輪・後輪ともにノーパンクタイヤを採用しています(後輪チューブタイヤのタイプも選択可)。これだけ小さな車輪ですから、ゴムの塊だとしても重さは気になりませんね。
こちらお値段は、アマゾンで15万円くらいです。
さて、海外の電動アシスト自転車を中心にご紹介してきました。
次は日本国内で乗れるものをご紹介。国産もあれば、海外から進出してきた製品もあります。
izumi
最新記事 by izumi (全て見る)
- 電動アシスト自転車の最新動向 12 日本国内で乗れる電動アシスト自転車・3オルベア「Gain」ファンムーフ「Electrified X」BESV(ベスヴィー) - 2018年3月14日
- 電動アシスト自転車の最新動向 11 日本国内で乗れる電動アシスト自転車・2 ミヤタ シマノクルーズ リッジランナー トレックVERVE+ コラテック E-POWER X VERT 650B E-POWER SHAPESeagull 26 & 20 - 2018年3月14日
- 電動アシスト自転車の最新動向 10 日本国内で乗れる電動アシスト自転車・1 ヤマハ パナソニック YPJ-XC YPJ-ER YPJ-EC YPJ-TC ジェッター ハリヤ MBT・XM1 - 2018年3月14日
- 電動アシスト自転車の最新動向 9 続・欧米の電動アシスト自転車 Outrider USA Horizon Spark A-Bike - 2018年3月14日
- 電動アシスト自転車の最新動向 8 欧米の電動アシスト自転車 The Electric Fat Bike Sondors e-Bike Vera 7 Biktrix Juggernaut Gi FlyBike Riide The Koben - 2018年3月14日
コメント